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2021/06/02 13:40:02

中国のIT事情

こんにちは、東洋システムの中国法人である「菱東」会社所属のP.Xです。
今回は、最近の中国IT事情についてお話しをさせて頂きたいと思います。

■まず、ソーシャルアプリから始めましょう。
ご存じのない方は多いかと思いますが、日本で日常的に使える「LINE」や「Twitter」、また「Facebook」などのソーシャルアプリは中国ではデータの保存場所や内容の審査方法について、政府と企業の間の溝が埋まらないため、残念ながら現段階ではまだ利用できません。ただ、それらの代わりのアプリがたくさん存在しております。しかもほぼ中国本土の企業にて開発されたものばかりです。代表的なものは「wechat」(LINEに該当)、「weibo」(facebookに該当)、「bilibili」(youtubeに該当)などがあります。



特に「wechat」は現在10億人ほどのユーザー数を持って、中国で1番人気のアプリです。それ以外、オンライン決済アプリや出前注文アプリ、シェア自転車アプリなど数えられないほどのアプリがインターネット革命のブームに乗って、一気に開発されました。これらのアプリが開発、普及することで、中国内にたくさんの仕事が生まれ、莫大な市場も形成されています。

■次はIoTやAI技術の発展状況です。
自動車の生産や精密機器の加工について、すでに何十年もかけて自動化が進んできているので、IoTやAI技術が活用されるのはもちろん、最近の中国ではIoTやAI技術が農業に応用されているケースも多いです。
シンセン市に拠点を置いている識農科技という会社は、農作物の写真だけでその農作物がかかっている病気やその病気を治すための方法などすぐに回答してくれるようなアプリを開発しました。1,000万枚以上の写真のデータベースと、画像のAI解析技術を活用して、新しいの農業のやり方を模索しているようです。
そして、中国で小麦や米などの収穫はほとんど機械化されている中、コットンのような形が不揃いの農作物の収穫についても機械化が進んでおります。



例えば、ウイグル自治区では現在70%以上のコットンは機械で栽培や収穫が行われています。一部の地域では、無人運転のトラクターの使用まで進んできました。また、収穫の際に、携帯のアプリで場所や日付などで予約すれば、本人が畑に行かなくても、収穫作業を順調に進めることができるようになっています。もちろん、形が不規則なので、機械だと取り残しのコットンも多いですが、現在AI技術を活用して、なるべく取り残しを少なくするような開発を進めている会社もあります。



■最後は自動車についての話になります。
ITの事情なのに、なぜ自動車を話すかというと、テスラの電気自動車発売以来、自動車は単なる交通手段から、最先端IT技術の結晶に変わりつつあるからです。今の中国は、おそらく既に電気自動車の世界最大の市場になってきています。
テスラは上海でスーパー工場を持っているので、電気自動車市場で一番売れているのですが、そのほか、中国の国内メーカーの販売車数ももはや無視できないほど成長してきている状況です。



上図のように、2020年電気自動車の年間販売数は、1位のテスラと10位のBMW以外、2位から9位まですべて国内メーカーの車種です。この中には、テスラよりも単価が高い車種も2, 3個あります。昔のガソリン車時代にいろんな面で遅れていた国内メーカーは、電気自動車の普及ブームに乗って、最先端メーカーとの距離を縮めることが期待されています。
また、つい最近、携帯販売数がサムソンに次ぐ世界2位の「シャオミ」は、今後10年間で100億ドルを投資して、自ら電気自動車を製造することも発表しました。「シャオミ」は、中国で携帯の販売以外、多くの電気機器メーカーと協業して、自社基準のIoT設備を中国国内でたくさん販売しております。どんな"スマートな"自動車が作られるか、とても楽しみです。




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